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批評と創作を行う永久機関

『リウーを待ちながら』 コミックレビュー

簡単な紹介 本作は朱戸アオによる漫画であり、雑誌『イブニング』で2018年2月現在も連載されている。その内容を一言で説明すれば、現代日本のある市でペストが流行していく様子が描かれている。局地的なパンデミック漫画とも言える。 タイトルの由来 『リウ…

思考の断片 2017年7月~8月 雲葉

書評 ウティット・ヘーマムーン『旧友の呼び声』(あるいは、一つの到着点) 旧友から主人公にかかってきた四回の電話を描いている。主人公と旧友は、一〇年以上前に芸術系の学校で親友だったが、それ以来連絡を取っていなかった。 四回目の電話から描写されて…

『それからはスープのことばかり考えて暮らした』書評

吉田篤弘の作品を読むのは、これが2冊目である。『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)は、たしか2年前くらいに読んだ。現実とファンタジーのあいだのような雰囲気と、ほんわりとこころのあたたまる話が、非常に魅力的な作品だった。その後も、気になってい…

コミックレビュー『給食の時間です。』 視点移動によって思い込みが露わになること

簡単な紹介 『給食の時間です。』は飯田による給食を題材とした漫画作品である。小学生たちが給食を通じて互いに影響を与え、成長していく様子が描かれている。 本作はウェブコミック配信サイト『裏サンデー』や漫画アプリ『マンガワン』で掲載されていた。2…

小沼丹『藁屋根』書評

『藁屋根』(講談社文芸文庫 2017年12月)を書店で見つけ、頁をぱらっとめくってみると、「谷崎さん」の文字が目に入った。ほかにも「井伏さん」「広津さん」などの名前が出てきており、これは私小説的なものなのだろう、と思う。また、少し前に『村の…

書評『輸入学問の功罪――この翻訳わかりますか?』

逐語訳への妄執 『資本論』向坂訳を題材に 第一号の追加資本を成す剰余価値が、原資本の一部分による労働力の購入の結果だったかぎりでは、すなわち、商品交換の諸法則に一致する購買、また法律的に見れば、労働者の側においては彼自身の能力にたいする自由…

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